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薬識という言葉を聞かれたことがあると思いますが、何か漠然としていませんか。この機会に、整理していきたいと思います。薬識は、服薬ケアの定義にもでてきます。服薬ケアで取り扱う認識は、主に薬識ということです。
服薬ケアの定義 服薬ケアとは、患者さんに使用される医薬品の管理、及び、服薬に関わる事柄、認識、意志、人間関係など、服薬を中心とした治療全般とその反応に対するケアである。 ◎解説3.認識 |
最初に、参考資料を紹介します。
『調剤と情報』 vol.1(1) p59-63
服薬管理と薬識 , 二宮 英 『調剤と情報』 vol.1(7) p699-705 イラストで考える「薬識」(上) , 大津 史子 ほか 『調剤と情報』 vol.1(8) p825-830 イラストで考える「薬識」(中) , 大津 史子 ほか 『調剤と情報』 vol.1(10) p1173-1179 イラストで考える「薬識」(下),大津 史子ほか アスカ薬局のホームページ http://www.aska-p.co.jp/ |
薬識という言葉が、どうして生まれたか、二宮先生の書かれた「服薬管理と薬識」に書かれています。
堀服薬状況に関係があるということを研究
美智子先生が、名城大学の学生だったとき、薬に対する理解度とされました。そこから、発展して薬識という言葉がうまれたそうです。昭和54年に、二宮先生が薬系新聞に投稿され、はじめて紹介されました。
では、さっそく、薬識について見ていきましょう。
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"認識のすべて"に注目したいと思います。単なる"知識"とは違うということです。認識という言葉の私なりのイメージですが、"情報に対する判断や思いを含んだもの"と考えています。
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個々でのポイントは、範囲が広いということでしょうか。そのために、漠然としたイメージにつながっているのかもしれません。
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キーワードは、"薬識を持つ"。薬識を持つことで、患者自身が薬物療法に責任を取る、すなわち、自立した患者になることができるという意味で重要です。
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患者さんが診察を受けたとき、医師から「○○の薬を出しておきましょう」といわれます。この時点で、医師から薬識を与えられたということになるのでしょうか。患者さんが、「○○の薬をもらうんだ」という認識を持ち、これが、最初の薬識ということだと思います。
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薬剤師が、最初に行うことはなにか。患者さんの薬識の確認です。日常でも、初めての患者さんに対して「医師からどのような説明を聞きましたか」という感じで、薬識を確認している方がいると思います。
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患者さんが、薬物治療を進める上での原動力が薬識ですから、それが、的確なものでなければ、先に進めないということでしょうか。最初の定義がここまでです。
次は、『調剤と情報』の創刊号に書かれたものです。こちらは、更に重要と思います。
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薬剤師が、患者に与える、情報そのものではないということが重要だと思います。薬剤師が一方的に説明しても、患者さんが受け止め、薬物治療の原動力にならなければ、薬識を持ったことにはならないということです。一人一人の患者さんで、受け止めかたが違う。これも、皆さんわかっていることですが、忘れがちではないでしょうか。
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"手助け"=ケア 、薬識を持てるように、専門家としてケアを行うのが、薬剤師の仕事です。つくばファーマシューティカルケア研究会で取り組んでいる、POS、カウンセリングなども含めて、専門的な手段といえると思います。
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ここが、一番重要だと思います。"行動を起こす"ことが、薬識を持つこと。知識があっても行動に結びつきません。意思や感情があって、はじめて行動になります。薬識を理解する上で、ここが重要と私は思います。薬識が、薬の知識ととらえていれば、このことは、よくわかりません。薬識は、意思・感情を含めたものと考えれば少しわかったような気がします。
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薬剤師のケアは、継続して行われなければならないとうことです。そのために、情報を伝えるだけではなく、患者さんのその時の状態を把握して、ケアすることが大事です。
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インフォームドコンセントについては、議論が不十分なので、なんともいえません。
以上、私なりの解釈を加えて話させていただきました。
Q.療養の専念とは、どういう意味ですか。
A.専念する必要はないのでは ?
療養に向かおうと腰が上がれば十分と思います。
A.治りたいと思う気持ちと理解してはどうでしょうか。
Q.薬剤師もインフォームドコンセントにかかわるのか。医師だけのものかと思って いましたが・・・・。
A.先日の茨城県薬剤師学術大会の特別講演で、COMLの辻本さんインフォームド
コンセントはを、『説明と同意・理解と選択』と仰っていました。患者の立場で
言えば、理解するというのは知識レベルの問題。選択するには、判断や意思が
必要です。すなわち、薬識を持つということ。と考えれば、理解できるような気がします。
A.インフォームドコンセントを医療者と患者が半分ずつ責任を持つものと考えると
わかりやすいと思います。説明と同意を求めるのは医師の仕事であっても、患者さん
がそれを理解し選択するのを手助けするのが、薬剤師の仕事ではないでしょうか。
そうすれば、つながると思います。
次に、薬識気球について、解説したいと思います。名城大学の大津 史子先生らが、3回に渡って『調剤と情報』に連載したものです。薬識というものを、気球にたとえています。正直なところ、非常に難しいと思います。たとえは、わかりにくいものを分かりりやすくするもでです。薬識気球のたとえは部分的には、分かりやすいところもありますが、そうでないところもたくさんあるようです。
全体を大まかに説明します。
薬識気球に患者さんが乗っています。これは、患者中心の医療をたとえています。風船という薬の知識を、気球の袋に入れることによって、QOLの向上という目的地に向かってとんでいく原動力になっています。目的地に向かって気球をとばすことを、薬物治療に例えているわけです。これに対して薬剤師がどう関わっていくかということを、たとえで表したものが、この薬識気球のたとえです。
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籠がどうしようもないと安心して、気球にのれません。処方に対する監査、チェックというのが薬剤師にとって重要な仕事です。籠に穴が開いていてはうまくありません。また、とえ、穴があっても落ち込まないように支えるのが薬剤師のしごとになります。
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下から見ると、患者の回りを医療スタッフと家族がとりまいているように見え
ます。患者中心の医療をあらわしています。
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ロープが長いと操作しにくい。短いと操作しやすい。つまり、薬物治療をうまくすすめやすいというわけです。
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いわゆる、服薬指導で提供する情報のことです。
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"理解力"は、知識レベルでの理解ということで良いと思います。
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"風船をつかむ"、すなわち、薬識を持つということ。情報を理解した上で、その情報が意思・感情をともなう行動の原動力になった状態をさすと思います。"つかむ"というのが、一番大事だと思います。
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"風船を持っていない"といのは、知っていても行動につながらない状態でしょうか。単に"薬識がある"状態で、行動の原動力になっていないということです。
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必要に応じて、情報を提供するということです。その判断は、薬剤師が行うと
いうことでしょうか。
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砂嵐の砂が、砂袋に入ってしまう。
次の(21)(22)は、重要だと思う。
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理想的には、一致させることが重要です。忘れてはいけないことは、本来の目的地は、患者さんの中にあることです。
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気球の高度が高ければ、障害があっても目的地に向かってとんでいくことができる。薬剤師が関わっていくうえで、風船ばかりに気を取られていてはいけません。籠の状態、ロープの状態、いろいろなことに注意を払って、目的地に到達できるように手助けをします。それが薬剤師の仕事になります。
うまくイメージできたでしょうか。
今後も、薬識について考えていきたいと思います。今後に課題を残して、今日は、終了します。
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