つくばファーマシューティカルケア研究会
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つくばファーマシューテイカルケア研究会
第3回
定例会報告
- テーマ:薬剤師のための情報通信講座
〜パソコン・インターネットを使おう〜
- 日 時:平成9年9月11日(木) PM7:30〜9:30
- 場 所:コナン販売 ネットワークソリューションプラザ
- 参加者:12名 薬局薬剤師/5名 病院薬剤師/7名
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〈はじめに〉
テレビも雑誌も新聞も、インターネットという言葉で溢れかえってます。世界中のコンピューターがネットワークでつながった状態がインターネットです。そこには、お宝情報もあれば、ゴミ情報もあります。なかには、爆弾情報も潜んでいます。堅苦しいことはさておき、まずは、やってみましょう。あなたのパソコンも簡単に、インターネットにつなぐことができます。さぁ、マウスに手をかけてクリックしてみてください。
〈ご挨拶:コナン 萩原係長様〉
今までの販売ですと、「カタログ通りに簡単に使えます」とい説明で、販売していました。しかし、その後でお客様より、なかなか上手く使えない等、相談や苦情が多いです。また、ネットワークというものが、日常生活、仕事、友人関係のコニュニケーションとして多く利用されていますが、実際使用している機械、ハード関係をなかなか、見たり、体験したりする機会がないのが現状です。そういった中で、何かサービスはできないだろうか、説明する場所、体験する場所といったものが必要ではないだろうかと考えました。また、茨城県の高度情報企画委員会のメンバーにもなっていまして、県内にもそういった場所を設けて欲しいという要望もあってこのような場を作りました。新しい販売方法として、お客様とコミュニケーションをとりながら、困った時にはいつでも相談にのり、また、今回のような提案に対しても少しでもお役に立ち、ご利用頂ければ幸いと思います。
〈概論:仁礼〉
パソコンは道具である
・実際にパソコンが自由に使える環境(職場、個人)にある人は、参加者全員であり、皆さんパソコンを使いこなしている。(パソコンがインターネットに接続可能な人10名 /12名)
・ 色々なソフトを使うことによって様々なことができる。
- ワープロ・表計算・データベース
- パソコン通信・インターネット
- ゲーム・CD−ROM
パソコンの選択
・ Mac(参加者:2名)か、Windous95(10名)か?
・ どんな形 据え置き型、ノート型、携帯端末
・ どこが作った メーカー品、ショップブランド、自作
パソコンの購入方法
・パソコンショップ
・秋葉原(色々なものが安く買える)
・通信販売(一番安い、交通費がかからない)
・Niftyの掲示板―個人売買―
インターネットとは
・ 世界中の全てのコンピューターをつなぐコンピューター・ネットワークである。
・ 個人では、インターネットに電話回線でつないでいる方がほとんど。
コンピューターがつながると
・ 情報交換ができ、情報を共有できるようになる。
・ 自分のパソコンに、色々な情報、データーを蓄積してもつながっていなければ、その人個人でしか使えない。しかし、つなぐことによって、数多くのひとが使えることができる。
(例)真野データベース
インターネットで何ができる
- WWW(ホームページ)
- E−Mail
- メーリングリスト
- 検索エンジン
- インターネット電話
- ニュースグループ(電子掲示板)
- FTPサイト
・コンピューターにはもっと新しいことができる可能性がある。
インターネットをつなぐには
- アナログ回線(普通の電話)
- ISDN回線
- 専用回線
- プロバイダーの選択-NTTのOCNが注目
〈パソコン活用事例、TIP紹介:高橋〉
実際にパソコン通信を病棟業務に利用した症例の紹介
症例:片麻痺患者さんにおけるペン型インスリン使用の試み
症例の概略
・
患者さんから「退院したい。独り暮らしするからインスリンを自分で打てるよになりたい」との要望あり。
・脳梗塞後遺症により左片麻痺がある。
・ ノボレットによる自己注射を開始する。単位合わせが困難であることの問題点が生じる。
・ 工夫するも、上手くできず、患者さん自身落ち込み、時間ばかり過ぎていった。
・ 色々な情報を得ようと思いNIFTY SERVEで薬剤師のフォーラムでもあるFDRUGの会議室「ファーマシューティカルケア」にアクセスした。
・ 翌日、実際に糖尿病を専門に担当している薬剤師からの情報を得る。
ノボレットに専用のリングを付ける
解決できなかった問題点を解決」し、患者さんは無事退院した。患者さんのQOLが向上した。
パソコン通信利用の利点
・ 迅速に情報が数多く収集でき、治療範囲が広がり、患者さんの選択肢が増える。
・ 実際に専門に担当している薬剤師からの生の情報が得られる。
・得られた情報を活用し、結果等をフィードバックすることにより、薬剤師同士の情報交換ができる。
TIPの紹介
・ The Informed Prescriber
・ 正しい治療と薬の情報(医薬品・治療研究会)
・ 詳しくは、TIPホームページもありますので参照ください。
TIP月刊誌の構成
・今、話題の情報、薬の再評価(手厳しい内容です)、薬の正しい使い方
・ 患者用薬の説明書
・ 副作用の症例紹介
患者用薬の説明書の活用
・ FDRUG、TIPホームページよりダウンロードできます。(Windows、MacどちらでもOK)
・ 内容は、患者さんに分かりやすい言葉で書かれている。専門用語がない。
・ 内容は、患者さんのレベルにあわせて、3タイプに分かれている。(詳細、中等、簡略)
・ 改訂(訂正)できるため、患者さん個々の説明書ができる。プリントアウトもできる。
〈パソコン通信 FDRUG紹介:渋谷〉
FDRUGの紹介
・公開に当たりましては、当フォーラムの運営責任者である 丁 元鎮 先生の正式な許可を得ております。また実際の情報交換の紹介(会議室)では各発言者の了解を得ております。
丁先生からのメッセージ
正式にはNIFTYSERVE DRUG INFOMATION FORUM です。ネットワークを利用した薬剤師、医師など医療従事者の為の医療、医薬品、薬物療法に関する情報交換の場として1987年に発足。特に薬剤師の参加が多いのが特徴です。
FDRUGの目的
薬剤師の職能を活かし、患者志向の立場から薬物療法及び薬剤業務に関する情報の交換を行い、薬物療法と医療の適正化に寄与します。また、パソコン通信の普及を図り、その利点を活かして各領域における薬剤師、医療関係者の親睦の場とします。(会員規約より)
入会にあたって
まずはニフティに加入。
FDRUGにいって会員規約を熟読する。一般申込書に記入後SYSOP宛に送信、SYSOP承認の後、利用できる。原則として薬剤師、医師等の医療従事者に限る。
会議室
FDRUGには情報交換の場として、テーマ別に会議室が設置されており、連日活発な議論が行われています。これらの会議室にはそのテーマに精通した薬剤師が議長(コーディネーター)をしており、日常業務に即した情報交換が行われております。その他リアルタイム会議室、各種ソフトウエアの提供もあります。
会議室紹介
(実際の情報交換の紹介)
・Pharmaceutical care
・医薬分業促進・対策室
〈インターネットWeb紹介:大野 〉
今回は、医療関連のページを中心に普段、私のよく利用するホームページに接続してみました。
The Digital Drug Data
URL:http://www.yo.rim.or.jp/~tei/
このページはNIFTY Serve FDRUGのsystem operatorである丁先生が運営するホームページで、とにかく医療関係のリンクが豊富です。医療関係者ならばぜび、このページをkey
stationにネットサーフィンを楽しんでみてはいかがでしょうか?ブックマークに必ずいれておくべきページです。
第16版「メルクマニュアル」日本語版ページ
URL:http://www.msd-japan.com/!!sRK_i3DG8sRL0r33lm/mmanual/home.htm
このページはアメリカ医学書の最高峰である「メルクマニュアル」(日本語版)のホームページで、私がよく利用しているページの1つです。このページはまるで「メルクマニュアル」のCD-ROMを扱っているように利用できますし、なんと印刷も可能です。
ですから、自分が勉強したいところは印刷し、自分でさらに書き込みたいところは書き込むなどして自作のメルクマニュアルを作ってみてはいかがでしょうか?ただ、検索に時間がかかることがありますのでご注意を!!
抗菌薬internet book
URL:http://www.digitalstudio.or.jp/antibiotics/caz.html
このページは「メルクマニュアル」同様に私が実際の業務上よく利用するページです。検索項目がコンパクトにまとまっているので「どの抗菌薬を選択すべきであるか?」という結論に達するまで短時間ですみ、操作も簡単です。抗菌薬の種類が豊富になった今、正確かつ迅速に薬剤の決定が可能なこのページ利用価値は高いと言えます。
ホームページのつくり方教室
URL:http://www.urban.or.jp/home/kibochan/miyakou/html.htm
このページは、みてるだけじゃつまらない!!ホームページをつくってみたい!!という人にできるだけ経費をかけないでホームページを作っていただきたいと思い紹介しました。このページはある高等学校の教材に利用されているものの抜粋なので、内容も簡単ですし、基礎から理論的に解説がなされています。「ホームページの作り方」はホームページに聞いてみよう!!これが私の提案です。
以上、私がよく利用するページを簡単に紹介しましたが、みなさんの方がまだまだたくさん利用価値の高いホームページをご存知であるように思います。もし、いいホームページに出会った時には是非、当研究会にご投稿をよろしくお願い致します。ゴミ情報の多いといわれるインターネットジャングルを擦り抜けるためにも…。(投稿の詳細は下記のホームページを参照)
☆つくばファーマシューティカルケア研究会ホームページ
〈インターネットサービス EDIS:福神 駒村様〉
改訂速報
- 添付文書の改訂内容を週単位(月曜日)で掲載する。バックナンバーも参照できる。
添付文書データベース
- 先発品のすべてと汎用されている後発品の添付文書内容をデータベース化したもの。フリーキーワードや副作用等項目を特定した検索ができる。検索ヒット率を上げるために疾患、副作用についての同義語辞典が組み込まれている。情報の更新は毎週。
添付文書改訂履歴データベース
- 過去に改訂された添付文書の改訂部分をデータベース化している。ある特定の医薬品の改訂の履歴をたどることができる。情報の更新は毎週。
医薬品識別データベース
- 内服薬を中心に医薬品の識別情報をデータベース化した。剤型、包装についている番号、アルファベット、マークから検索できる。剤型の包装写真のカラーで見られる。情報の更新は年4回。
服薬指導データベース
- 薬効別服薬指導マニュアル(薬業時報社発行)をデータベース化したもの。
患者さん向け「くすりの説明書」
- 患者さんにあわせて内容の変更ができる。項目は、薬の裸錠の写真、ヒートの写真等です。
相互作用チェックシステム
- 医薬品間でそれぞれ添付文書に相互作用の記載があるかどうかを検索して、マトリックスで表示します。併用禁忌は赤色、併用注意は黄色で表示。情報の更新は毎週。商品名や一般名からも検索できる。名称に限らず、相互作用欄に記載されている言葉(例:飲酒、グレープフルーツ)でも検索できる。
構造式データベース
- 先発品の構造式をデータベース化したもの。分子式、CAS、テンプレートを使った構造による検索ができる。
EDISサンプルページ
詳細は、サンプルページをご覧下さい。
接続方法
利用するには自分のIDとパスワードが必要。
会員資格
医療機関、調剤薬局、大学
料金
定額 2,500円/月
年間一括払い 24,000円
一般会員(福神の得意先でないところ)
定額5,000円/月
年間一括払い60,000円
* この情報をすべて更新するのに必要な経費は500万円/月だそうです。
全体討論:あなたはパソコンをどう活用する
・ 個人ではインターネットにつないでいない。職場ではSUNETを使っている。個人ではお金がかかる。
・ FDRUG、SUNETどちらにも入っているが、FDRUGしかつないでいな
い。
・ SUNETでも中心的な人はFDRUGでも活躍している。ネット上の薬剤師の世界は狭いのかもしれない。ROM(Read Only Member)は、かなりいると思う。
・ ぜひともネット(EDIS)を活用していきたい。毎日のようにう届く添付文書改訂のお知らせの山になってしまう。見たいときみられない。取り出すのは難しい。暇な時にしか見なくなってしまう。
・ 狭くてコンピューターが置けない。結構問題になる。ディスプレイが大きので、液晶等を利用するとよい。最近のノート型は、機能的には十分対応できる。(価格は少し高め)
・ 費用を考えると、個人ではなく勤務先でインターネットにつなげる状態にしたい。(参加施設6施設中2施設接続可能)
・ インターネットで情報交換ができるようになるには、まだまだ時間がかかる。
・ 趣味の世界でしかやっていない。時間と電話料金(1〜2万円)がかかる。
・ チャットにはまることがある。
・ 巡回ソフト、NTTの時間帯サービスの活用は、時間と料金の削減になる。
〈まとめ:仁礼〉
ジェームス・ワットが蒸気機関を発明し、産業革命が起きました。おなじように、コンピューターチップの発明が、第2の産業革命を引き起こしているという人もいます。工業化社会から情報化社会へ。私たちは、今、まさに歴史の大変革の中にいます。データをデジタル化することで、いろいろなことが大きく変わります。私たち薬剤師の仕事も、情報にかかわる仕事が増えてきています。情報を上手に入手し管理する 道具としてのパソコンとインターネットを活用しましょう。
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